1993.7.03
父とは母が
度々入院する病院で
彼らは2人とも
“断酒会”に入っていて
今日は函館で体験談を話すそう
姉を含めた家族4人で
朝から函館に向かい
現地で一泊して
戻ってくる予定だ
その断酒会には
兄が出て行った後に
我が家に出入りしていた
おじさんも居て
父との関係性は最悪
姉も行くのを
嫌がっていたが
母の指示に逆らえる家族は居ない為に
仕方なしに着いてきていた
かなり大きな会合で
おそらく北海道中の
アルコール依存患者(治療中)が
集まっていた…
父と母の体験談発表は
スムーズに済み
2人とも達成感からか機嫌も良く
楽しい一泊になった
問題はその帰り道
国道5号線を走っていた時に
見慣れない光景を見つけて
母の指示により父は車を停めた
5号線は
道を挟んで片側は海岸
片側はそり立つ崖になっている
その海岸側で
何人かの人が集まって
ズボンの裾を捲り
何かを採っていた
母がその人達に声をかける
『そんな浅瀬でなにがとれるの?』
話を聞くとその人達は
近所に住む住民だそうで
水深50cmもない浅瀬に
アワビやらナマコやらが
集まっているらしかった
現地の人達も
初めて見る珍しい光景だそうで
盛り上がっていた
私たちも少し覗いてみる
確かに沢山居る…
小学校低学年の私でも
簡単に採れる所に沢山
大興奮の母だったが
水に濡れても良い準備がない
とんでもない穴場を見つけた
そう言って大はしゃぎのは母
夏休みになったらすぐに
キャンプをしに来よう
そう言って
家路に着く事にした